【尾を立てる・おだつ】馬が興奮した時に見せる仕草(しぐさ)

 
馬は仕草(しぐさ)から状態を見て取ることができます。
 
尾を上げる、尾を立てた仕草を見せる時はどんな状況でどんな心境なのかを解説していきます。
 
この記事の内容は、学術的な根拠のある内容ではなく、競馬と乗馬で10年以上馬と一緒に過ごしてきた、私個人の観察と分析によるものであるということをご理解の上でお楽しみいただければ幸いです。
 

尾を立てている時の心境は?

 
馬が尾を立てるのは、少し警戒しながら興奮している時に見せる仕草です。
 

尾を立てる時の状況とは?

 
初めてのものを見た時、珍しいものを見た時に尾を立てます。
 
顔を高くし、耳をピンと立てて、尾を立てて、対象物からの情報を集めようと集中します。
 
この状態の事を業界用語で「物見(ものみ)」といいます。
 
警戒しているので、対象物が動くとすぐに駆けて距離を取ったところで物見をします。
 
それを繰り返しながら自分に危害を加えるものなのか判断していきます。
 

物見とは
馬は、新しいものに出会う度に、物見(ものみ)をします。
物見をするのは自分に危害を加えるものかそうでないかを判断しています。安全を確信できればその後は全くもって反応しなくなります。
 
このような作業を人間のコントロール下で行う事を「馴らすを致す」と書いて、馴致(じゅんち)といいます。
 

<実例紹介>どんな時に尾立つ?

 
北海道でよく見かけていた光景は、野生の鹿が出てきたときです。
 
放牧されている牧草地に鹿が近づいてくると、それを発見した馬は一斉に顔を高くし、耳を立てて、尾を立てて、鹿に注目します。
 
鹿が動けば、尾を立てて走り回ります。
 
面白いのは、キツネやタヌキを見ても驚かないのに鹿には驚くところです。
 
「自分に似ているのに、自分とは違う。なんなんだこれ!?」となっているのでしょうか。
 
犬や猫はすぐに受け入れられるのに自分に似ている鹿などは中々受け入れられないようです。
 

馬が驚きやすい理由

 
人間が何かの上に登って馬の頭より高い位置になるとすごく驚きます。
 
そうなる理由は2つあると考察しています。
 

記憶力が良い

馬はとても記憶力が良いと思います。特に短期記憶です。
 
正直、中期や長期的記憶力は良くないと思っています。
 
しばらくの間(数週間)接していないと忘れられているように感じる事がありました。
 
ですが、短期記憶は人間よりも圧倒的に記憶力が良いと思います。
 
見た世界を録画して覚えているかのように、小さな違いも見つけてしまいます。
 
外に出て一緒に散歩すると前回と違うものを見つけると物見に入ります。
 
「そうか、これ昨日なかった?」と私が覚えていない新しいものをたくさん見つけるのです。
 
他にも自動販売機が同じ位置のままで色が変わっても気づくほど細かく覚えている事もありました。
 
記憶に自信があるのか、心配性(草食動物ですものね)な為なのか記憶にないものに対して強く敏感に反応します。
 

想像力が無い?思い込みが激しい?

 
凄く極端なのです。
 
警戒すると中々解けない割には、安全だと思ったら全然気にしなくなってしまいます。
 
馬が生活する環境には自分より背の高い動物に出会う事が少ないからでしょうか。
 
自分より背の高い生き物を見るとめちゃくちゃ驚きます。
 
例えば、人が何かの上に立って自分より高い位置にいると目をまん丸くして驚きます。
 
見たことの無いものは存在しないと思い込んでいるようで、「もしかしたら」という発想が湧かないのかもしれません。
 

視力はくない、認知能力も低い?

馬は視界を確保するために両目が離れていたり、目の構造が肉食動物と違うので、焦点をを合わせるのがとても遅いようです。
 
視力の問題で、何かを見つけた時に瞬時に判断する事が難しいと考えられます。
 
もう一つは認知能力が人間と大きく違うのだと思います。
 
例えば、サッカーをしている人を初めてみるとパニックになる馬がいます。
 
私たち人間は、サッカーをしている人を見るとすぐに「誰かがサッカーをしている」と判断します。
 
馬は、「!!!!? 何かが走り回って何かをしている!何?何?」としばらく観察して「あーなんだ人間か」となっていく訳です。
 
何かの上に立った人に驚く時も人が高くなったと判断できず、「自分より高いものが現れた!!」とまず驚いてしまいます。
 
何が、誰がという事を判断できるようになるのは時間が経ってからで、まずは動きや状態ばかりに注目してしまうのが特徴的です。
 

野生の本能が消えにくい動物

 
上記で挙げた馬の特徴は、野生で生きる動物が生存するには重要な能力だと思います。
 
何かを判断する事よりも、危険をいち早く察知して安全地帯まで逃げる事が大切だからなのだと思います。
 
対象物が何なのかを判断できてから逃げているようでは間に合わないのでしょう。
 
ある動物園では、馬を扱いきれず手を余して馬の関連団体にヘルプを出したという話を聞いたことがあります。
 
助けに行った職員が「動物園は肉食動物もいるのにどうして?」と聞くと「肉食動物といっても動物園生まればかりなので扱いやすいんです」と答えたそうです。
 
馬は長い間人間に飼われていても野生が抜けにくい動物なのだそうです。
 

まとめ

 
お読みいただきありがとうございました。
 
「おだつ」というしぐさを開設しようと書いてみると、思った以上に色々な解説をする必要を感じました。
 
かなり端折って進めてしまったので、もしかすると読者の中には「これはどういう意味?」「どうしてこうなるの?」という疑問を持たれた方もいらっしゃったかなと思います。
 
疑問や質問などありましたら気軽にコメントやお問い合わせフォームから聞いていただければと思います。

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尾を立てた馬の動画

 


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