兼業で農業をする形は
『農業を本業として別の仕事を副業でする』
という形と
『本業を持ちながら副業として農業をやる』
という二つの形があると思います。
この記事をお読みの皆様は
今やっている本業の他に副業として農業を始めたい
本業で農業をやっているけど他に副業を始めたい
という方が多いのではないでしょうか。
この記事では、自身の経験や周りの農家の副業事情をもとに
「本業を持ちながら副業として農業をする」という事について書いていきたいと思います。
「農業をやりながら別の副業を考えている」という方には別の記事を書きたいと思っています。
■ 農家の手伝い、農業アルバイト
・ 農業アルバイトのマッチング
■ 兼業農家はどんな仕事をしながらやっている?
■ 一から農業を副業として始めるのは可能なのか?
■ 副業で農業は儲かるのか、収入は?
■ 副業で農業を始めるならどの作物がオススメ?
・ じっくり栽培する作物
・ 高単価な作物
■ まとめ
農家の手伝い、農業アルバイト
一番気軽に農業に飛び込めるのはこの形です。
アルバイトとして農業を始めるというのは第一歩としてはオススメです。
私の農業に興味を持ったきっかけも
沖縄県でサトウキビ栽培や葉タバコ栽培を住み込みでアルバイトした経験からです。
今は会社勤めをしながら親の農業を手伝ってアルバイト代を貰っているのでこの形に該当します。
繫忙期は朝夕の仕事前後にアスパラガスを収穫し、週末は稲作の作業をするという生活をしています。
利点は、任せられた役割だけで済むので、時間的負荷、精神的負荷、責任も限られるので本業への悪影響などはありません。
農業は繫忙期があり、繫忙期以外でも少し人手が欲しいという事もあるので、週末など休日に農家に手伝いに行くという形を望む農家も割といると思います。
農業アルバイトのマッチング
これは意外と難しいかもしれません。
農家も少しの人手は欲しくてもわざわざ公式に募集を掛けるのも面倒な事や、知らない人にいきなり手伝ってもらうのも大変なので、「身近での声掛けのみ」という農家も多いと思います。
農業に関係する色々なところに飛び込んで少しずつ人脈を作っていくのが良いと思います。
友人はボラバイトという求人サイトでアルバイト先を見つけました。
農業系の求人が多いサイトです。
兼業農家はどんな仕事をしながらやっている?
私の知っている副業で農業をしている人たちの例を挙げると、一番多いのは土木業×稲作です。
私の住む秋田県は米の生産量が国内3位という有数の米どころなのもあってか建設業や造園業などに勤めながら小規模な米農家をやっている方が多くいます。
それ以外にも稲作では、公務員、左官屋勤め、農協のカントリーエレベーター勤務の方もいます。
温暖な地域ではトラックドライバー×ミカン農家という方もいました。
私自身も会社勤めをしながら親の手伝いでアスパラガスとお米を栽培しています。
上記で紹介した方の全てが親から農業を受け継いでいるので必要な資本が全て揃っている状況から始まっていて、親の協力を得ながらという形も少なくありません。
珍しい形としては、農業資材を扱う会社に勤めている方が格安でビニールハウスを立てて多肉植物を栽培して販売しているという例があります。
このような取り組みは可能性があって収益性も良いと思います。
一から農業を副業として始めるのは可能なのか?
もちろん可能だと思いますが、収入を増やすための候補としてはそれほどお勧めできません。
単純に儲けたい、稼ぎたいという方は他の事業の方が断然オススメです。
農作業が好きでプラスで収入も入ったら嬉しいくらいの気持ちで始めるのであれば挑戦する価値はあると思います。
既存の農業の形に囚われるのではなく、販路も含めて新たに開拓していく気持ちがあれば成功する可能性は高いと思います。
親から受け継ぐ農業と比べて自由度が圧倒的にあるのでそれを活かした事業展開をする事で既存農家に対して競争力を高める事もできます。
副業で農業は儲かるのか、収入は?
どんな事業でも初期投資が必要で回収し利益ができるまでには時間が必要ではないでしょうか。
農業は他の産業に比べて利益率も高くない方だと思うので尚更大変である事は間違いないと思います。
兼業で小規模にやっている米農家の方々は、赤字もしくは少額な利益しか出ていないと言っている方がほとんどです。
ベースとして農業は補助金も投入されているように、そもそも儲かりやすいセクターではありません。
その中でも稼いでいる人たちのほとんどは販売まで手掛けているいわゆる生産するだけの農家ではない人達です。
本業をやりながら、作物を育てて販売もするというのはかなり大変だと思います。
それでも挑戦してみたいという方にオススメだと思う作物を紹介します。
副業で農業を始めるならどの作物がオススメ?
本業でやる農業と副業やる農業とでは作物の選び方は変える方が望ましいと思います。
本業でやるのであれば、市場規模が重要になります。販売額・販売量が一定量なければ生活できないからです。
副業であれば隙間を狙って少量・高単価な作物も選ぶことができます。
自分が手掛けるとするならば、金柑・イチジク・アボカド・山葵・ヨモギ・ローリエ・ミントなどのハーブ類、多肉植物などでしょうか。
じっくり栽培する作物
専業農家としては栽培初期の収入に苦労する果樹や山葵などは、生活に困らずに始められる副業との相性が良いと思います。
個人的にオススメな作物は、果樹です。
温暖な地域では庭でも簡単に育つので売るのには少々苦労するかもしれませんが、育てる手間がそれほどかからない作物も多くあります。
今から始めるのであれば、マーケットが拡大傾向にある国産アボカド、国産キウイフルーツなどが狙い目だと思います。
アボカドは長崎県に住んでいる時に栽培しようと勉強会に参加したり、栽培している農家さんと交流したり本格的に栽培に乗り出そうとしていた作物です。
以前に書いた記事もあるので興味のある方はご覧ください。
高単価な作物
ハーブ類などの少量で高単価な作物もお小遣い稼ぎには良いと思います。
実際にヨモギを乾燥させて販売していた事がありますが、作業コストを販売額で割って時給単価を出しましたがアルバイトをするよりも高単価でした。
ただ、販売量が多くなく本業でやれる見込みが無かったので手を引いて親から引き継ぐ予定の稲作の勉強に集中しました。
私の場合は、「よもぎ蒸し」用としてヨモギを乾燥させて販売していました。
入浴用や、艾(もぐさ)を採ってお灸用、お茶用、若葉を摘んで食用に、というようにヨモギ一つでも販路がたくさんあるので、マーケットと自分の出来る事のバランスを取って色々と選ぶことができると思います。
それ以外にもハーブはたくさんの種類や用途があるので興味があれば調べてみては如何でしょうか。
まとめ
私の例で言うと「ヨモギを乾燥させて販売する」方法などを県の農業関連部署に相談しコンサルタントなどを交えて話し合った際も、乾燥技術も販売面で難しいというも厳しい意見を多く頂きました。
最終的には自分一人で思い切って始め試行錯誤した結果、無事に販売する事ができました。
その後もホースラディッシュ栽培、食用ホオズキ栽培、アスパラガスの高床栽培、タラの芽栽培など試験的に育ててきました。
どれも可能性を感じるまでには至っていませんが、今後もメインの作物以外にも試験的に色々と挑戦してみたいと思っています。
副業で農業をするのであれば、とにかく挑戦してみる事をお勧めします。
小規模でも一つの作物を生産から販売まで実際に経験してみると一つの物差しができます。
物差しがあると次の挑戦にも役立つのでぜひ生産だけでなく売るところまでやりきってみる事をお勧めします。
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