アスパラ農家は本当に儲かるの?年収はどれくらい?

 
アスパラ農家がテレビ番組で年収1000万円プレイヤーとして紹介されたり、アスパラガス栽培が儲かる農業としてメディアに取り上げられたりしています。
 
本当に稼げるのか検証したいと思います。
 
 

記事の内容
 
■本当に儲かるの?
 
■新規参入したらどれくらいの収入になるの?
 
■経営の視点からみたアスパラガス栽培の特徴
 
■経営リスクを考える
 
■まとめ
 
 

本当に儲かるの?

 
まだまだ可能性はあると思う。
 
というのが私の見解です。
 

年収1000万円プレイヤー前川さんの状況を分析する

見方を変えて、前川さんの状況を飲食店経営に置き換えてみます。
 
親が所有していた飲食店を受け継ぎました。その物件を使って蕎麦屋を開業、時代の変化に合わせてうどん屋もやった事もありました。今ではラーメンを中心に、つけ麺やチャーシュー丼なども提供しています。ラーメン屋として15年以上継続して年収1000万円を稼ぐことができています。
 
こんな感じになるのではないでしょうか。
 
農業を行うためには、家・作業所・納屋(倉庫)・農地が必要で、効率的に行うにはなるべく近くにある事が重要です。親から農業を継いだ前川さんはこの条件が揃っていたと考えられます。
 
温暖な地域でアスパラガスを栽培しているという事はビニールハウスを使用した栽培です。メロンやイチゴの栽培を経てアスパラガス栽培を手掛けたという事は、使っていたビニールハウス設備を流用している可能性もあると思います。
 
新設するにしても建設業者とのコネクションや施設運用のノウハウもあるので無駄なく行う事ができるでしょう。
 
この状況から年収1000万円というわけです。
 
もし、こういった条件の全くない人が0からアスパラガス農家を始めるには、家・作業所・納屋の土地、農地を購入もしくは賃借する必要があります。
 
年収1000万円にするには、売上2500万円分のビニールハウスを建てる必要があります。農業は始めるまでが特に大変だという事が想像できます。
 
いきなり厳しい話から始まりましたが、最後までお読みいただければ幸いです。
 

新規参入したらどのくらいの収入になるの?

 

収入試算の事例紹介

長崎県基準技術による経営指標(10a当たり)です。
 
販売金額
販売量 3,000㎏x販売単価 1,043円=販売金額 3,129,000円
 
生産経費
肥料・農薬費 84,000円+減価償却費 497,000円+諸材料費他 390,000円
※減価償却費はビニールハウスの建設費用だと思います。
 
販売経費
選果出荷経費 342,000円+運賃180,000円+手数料 375,000円
 
生産経費+販売経費=1,868,000円
 
販売金額-経費=収入(所得)1,261,000円
 
所得率 40,3%
労働時間 838時間
時給 1,505円
 
 
単純計算すると20aで年収約250万円、30aで年収約380万円という事になります。
 
収量の多い人で10a当たり5,000㎏収穫する人もいます。
 
その場合は肥料コストなども上がりますが、それでも10a当たりの収入は250万円くらいになると思います。
 
20aで年収500万円、30aで750万円といったところではないでしょうか。
 
経営の仕方次第では、所得率を50%以上にする事も可能だと思います。
 
また、ネット通販なので直販した場合は更に利益を増やすことも可能なので、年収1000万円越えは不可能ではないと思われます。
 
 
引用元:レベルアップのアスパラガス栽培P22
 

経営の視点からみたアスパラガス栽培の特徴

 

収穫量

アスパラガスは植えた年には収穫ができません。
 
収穫を始められるのは翌年の2年目からです。
 
春芽だけを採る普通栽培は3年目からの収穫ですが、近年、栽培方法として主流となった長期どり栽培は2年目から収穫を始められます。
 
数本の親茎を立茎し終えたら間引きがてら春芽を収穫~夏芽の収穫ができます。
 
収穫量は、2年目以降から徐々に増えていって収量が安定するのは4年目~5年目くらいといわれています。
 
初年度は利益を上げることができません。
 
本格的な収入を期待できるのは4年目からというところが大事なポイントです
 

収穫期間

地域によって差があるのでざっくり平均すると、露地栽培で5月~9月、ビニールハウス栽培で2月~10月です。
 
収穫期間の長い作物なので、約半年間にわたって現金収入が入ってくるところがポイントです
 
基本的に朝夕の二度の収穫になります。日中は手が空くので他の作物と兼業で栽培する事もできます
 

単価

アスパラガスの1kg単価は市場価格平均で1,000円程なので、他の野菜に比べて㎏当たりの単価はかなり高い方です
 
量がかさばらないので輸送コストが抑えられる作物といえます。
 

資機材

ビニールハウスによる施設栽培になると必要な農地も露地野菜に比べて大幅に少ない面積で済みます。
 
ビニールハウスを建ててしまえば、トラクターなどの大きな機械を購入することなく栽培する事も可能です。新規就農としては参入障壁の少ない作物といえます

その反面、毎日手作業による収穫の労働が待っています
 

経営リスクを考える

 

栽培環境の変化

温暖な地域での露地栽培は難しいとされています。アスパラガス栽培にとって大きなリスクである茎枯れ病によって産地丸ごと潰滅(露地栽培ができなくなった)した事例もあります。
 
現在、露地栽培を行っているのは北海道や東北地方、長野など寒い地域に絞られてきました。北海道のアスパラ農家さんも露地栽培での茎枯れ病に苦しんでいるようで、これ以上温暖化が進むと国内での露地栽培は難しくなっていくのかもしれません。
 

需要と価格

今後の見通しについては分かりませんが、市場価格は15年前よりもkgあたり数百円高くなっていて、ここ10年程は消費や価格が安定しています。
 
植えた年に収穫できるものではないので作付け面積が急増する事はなく、急激な供給過多による価格の低下などは起こりにくい作物です。
 
逆に施設栽培が増えてきてるので天候不順などによって供給が激減し価格が上昇する事もあまりないのが特徴です。
 

価格の変化

冬に地中を加熱して萌芽させて収穫する伏せ込み促成栽培というものがあります。
 
冬にメキシコ産のアスパラガスが輸入されるようになってから、伏せ込み促成栽培は大きく衰退してしまいました。
 
世界全体のアスパラガス生産量の90%近くを中国が生産しています。2位のペルーは全体の4%程度ですから、中国が如何に圧倒的か分かります。
中国産アスパラガスの加工品はすでに輸入されています。生鮮アスパラガスはまだ輸入されていないようですが、これがいつまで続くのか不透明です。
今後、中国産が輸入されるようになる可能性は0ではないので注意しておきたいリスクの一つです。
 

まとめ

 

普通に考えると大儲けは難しい

1、機械化が進んでいない
アスパラガス栽培ではまだ効率化や機械化が進んでいません。労働の大半が収穫と選別作業となります。
 
選別はある程度機械に頼ることができますが、収穫は手作業になるので限界があります。
 
売上を伸ばそうと思えば多くの人を雇って人海戦術でいくしかありません。
 
但し、収穫用のロボット開発が進んでいるようなので状況が一転する可能性もあります。
 
2、高額商品が生まれていない
果物などであれば、1個数万円数十万円という価格で売れる事もありますが、アスパラガスにいくら付加価値を付けたとしても流通価格の何倍もの値段で売れる事は考えにくい状況です。
 
また、加工して価値を上げる事もできていない作物です。
 

先駆けのチャンス!

普通に考えるとアスパラガスで大儲けするのは難しそうなのですが、諦めるには早いと思います。
 
ネギ1本を1万円で売れる人がいるからです。
 
ネギ1本ですよ。
 
実際にやってのける人がいるのも農業の面白さです。
 
アスパラガスの業界では、まだ革新は起きていないと思います。
 
アスパラガス1本1万円で売れるようになるかもしれません。生のアスパラガスよりより価値の高い加工食品を開発できるかもしれません。
 
今後、革新を起こす人は現れるのか、それをやり遂げる人は誰なのか、楽しみです。
 
 
ねぎびとカンパニー株式会社 代表取締役 清水 寅 氏 著作の本
なぜネギ1本が1万円で売れるのか? (講談社+α新書)電子書籍
 
 

儲かる農業の成功例

この記事をお読みの方は、アスパラガス栽培だけでなく農業で儲ける事に興味のある方もいらっしゃると思います。
 
余談にはなりますが、観光農園を成功させて運営ノウハウを販売して更に儲けるという最強の農業を実践している方を最後にご紹介します。
 
畔柳 茂樹 氏 略歴と実績
45歳で年収1300万円の安定した生活から脱サラしてブルーベリー観光農園を起業。
 
毎年1万人が来場する農園になり、年3ヶ月間の営業で年収2000万円を達成
 
毎年開催している「成幸するするブルーベリー農園講座」の受講者は延べ1300人を超えていて、この農園をモデルとして開設されたブルーベリー農園はハウステンボスを始め全国に83ヵ所を超えています。
 
今回紹介した理由は、「講座に参加してブルーベリー農園を始めましょう!」という事ではありません。
 
畔柳さんのように事業モデルを確立して、その仕組みやノウハウを情報商材として販売しましょう!というご提案です。
 
別の作物だったり、別な販路のモデルなど可能性はまだたくさんあると思います。
 
農業ビジネスの発信はまだ少ないと思いますし、発信方法も増えていて収益化する方法もどんどん増えています。
 
例を挙げると、ブログ・メールマガジン・オンラインサロン・動画コンテンツ(YouTube、ニコニコ動画等)・音声コンテンツ(Podcast、Voicy等)・SNS(Instagram、Twitter等)・電子書籍などたくさんあります。
 
自分が農業をやるというところまでではなくそのノウハウも売るというところまで視界を広げるとより稼げる可能性が拡がるのではいでしょうか。
 
畔柳さんから学んで儲かる農業を実践していきましょう。
 
 
畔柳 茂樹 氏 の著作
最強の農起業! ブルーベリー観光農園で失敗しない農業経営
 
畔柳 茂樹 氏 のブルーベリー農園ホームページ
ブルーベリーファームおかざき
 
 
 
参考文献
日本一のアスパラ農家になる
市場統計情報|東京都中央卸売市場
野菜統計|野菜情報サイト野菜ナビ
レベルアップのアスパラガス栽培―半促成長期どり栽培の増収技術
 

アスパラガス農家の一年間の作業ルーティン

アスパラガス栽培を本格的に学べる本

【アスパラガス栽培始める】専業農家になって生活するのは難しい?

アボカド栽培は儲かる?国産アボカドの将来性

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