2021年3月15日更新
アスパラガスってどんな作物?
アスパラガスは野菜の中でも珍しい宿根性なので、一度植えてから長期間栽培し続けることになります。
その為、植える前の土づくりは重要になります。
また、一度定植してしまうと圃場に株が残ったままなので大規模な土壌改良などを行うことができなくなります。
その限られた条件下でどのように土壌を維持していくかというのも長期間収量を安定させるポイントになってきます。
実を収穫する植物であれば、茎葉や根を立派に育てることで実りある作物に育てることができます。
アスパラガスは芽を収穫する作物です。多くの芽を出すためには貯蔵根に養分をしっかり蓄える必要があります。前年に蓄えた養分で今年の芽が発芽するからです。
地中にあって中々見ることのできない貯蔵根を立派に育てることがアスパラガスの基本になります。
特徴ある作物なので、栽培をはじめる前から特性を理解して栽培していく必要があります。
私自身、先輩農家や県や農協の普及指導員の方々に教わりながら栽培してきました。
途中からもっと収量を増やし品質を高めたいと思うようになって、本からも学ぶようになりました。
これからアスパラガスの栽培を始めようとしている方も、すでに始めている方も栽培技術を向上させるためにはより多くの情報が必要だと思います。
アスパラガス栽培技術の本
アスパラガスの作業便利帳
元木 悟 著
アスパラガスに重要な養分の動きと流れなどが詳しく書かれているところが特徴的です。育苗・収穫・立茎・灌水・病害虫などの基本栽培技術、アレロパシーによる連作障害についてなども書かれています。
オススメ度★★★★☆
プロにまなぶアスパラガスのつくり方
本田 進一郎 著
アスパラガスの起源と歴史から始まり、アスパラガス特徴と性質作型、品種、圃場準備・・・と順を追って書かれているので初めて読むのには流れが掴めて他の本より読みやすいかもしれません。著者は多数の農業関連本を執筆されていて、アスパラガスの専門家ではないようです。本作品はたくさんの情報をまとめて執筆されたものです。後半に出てくる各県の試験場のデータなどは貴重な情報になるかもしれません。
オススメ度★★★★☆
この本はAmazonが運営する電子書籍読み放題サービスKindle Unlimitedの対象商品です。30日無料体験を実施中なので、30日以内で解約するのであれば無料で読む事も可能です。
勉強になる本がKindle Unlimitedにもたくさん登録されているので個人的には継続して利用するのがオススメです。
アスパラガスの高品質多収技術
元木 悟・井上 勝広・前田 智雄 / 編著
アスパラガスの品種について、土づくりについて、多収実績のある農家の栽培事例紹介、世界のアスパラガス生産について、収穫後の鮮度保持など基本技術から他の本では得られない特徴的な情報などが記されています。特に土づくりのところは情報が充実していて勉強になりました。
オススメ度★★★★★
レベルアップのアスパラガス栽培
重松 武 著
ビニールハウスを用いて春から秋まで収穫を続ける「半促成長期どり栽培」というアスパラガス栽培で主流になりつつある栽培方法について書かれている本です。主に実際に栽培している方に向けた「更なる収量や品質を向上させる」為の情報や技術が書かれています。著者は長崎県の普及指導員だったことから温暖な地域での技術が中心になっています。売上や所得について触れているところも特徴的です。
オススメ度★★★★★
アスパラガス大辞典
農文協 編集
とんでもない本が登場しました。定価22.000円です。流石に高額で手が出せていません。親は購入したようなのでそのうち借りようと思っています。
オススメ度 不明
どの本を選ぶ?
私は、4冊の本を読みましたが「結局1冊で十分じゃん」という事にはなりませんでした。
どの本もアスパラガス栽培について書かれていますが、切り口が違っていて重複している情報はそれほど多くありません。きっと同じ作者でも構成を変えて数冊出せるのではないかと思います。
それほど、アスパラガス栽培に大事な要素が多岐に渡っているのだと思います。
1冊の価格は安くはないので躊躇してしまうかもしれませんが、アスパラガス栽培をしっかり学びたい方は最低2冊読むことをお勧めします。3冊くらい読むと全体をバランスよく把握できるようになると思います。
それぞれ本によって多少意見が異なるところもあるので、数冊読むことで自身の栽培に合った方法を選べるようになるはずです。
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