【体験談】V溝乾田直播を導入するメリット・デメリット

 
この記事は、1年を通してV溝乾田直播で稲を栽培した感想を元に作成しました。
 
まだ初心者なので気づいていない事や見えていない事もあるかもしれませんが、V溝直播の導入を検討している方の参考になれば嬉しく思います。
 
今期、新たな発見があれば追記していきたいと思っています。
 
 

V溝乾田直播の特徴

 
V溝乾田直播はV溝・乾田・直播と三つの特徴を重ねた栽培方法になるのでそれぞれ分解してみます。
 

直播とは?

直播とは、苗箱に種を蒔き苗を圃場に植える一般的な移植栽培とは異なり、直接圃場に種を蒔く栽培方法です。
 

乾田直播とは?

乾田直播は、水の張っていない乾いた状態の圃場に播種する方法です。
 
直播には、「湛水直播」という水を張った状態で播種する方法もあるようです。
 

V溝乾田直播とは?

土壌にV字型の溝を掘ながらその溝に種を蒔いていく方法です。
 
私のところでは、耕起・代かきをした圃場を用いていますが、耕起も代かきもせず種を蒔く不耕起V溝乾田直播という手法もあるようです。
 
乾田直播は他にも様々な方法があるようなので、気になる方は他の方法とも比較しながら検討するのが良いのではないでしょうか。
 
 

V溝乾田直播のメリット

 

施設コストの削減

移植栽培との違いの一つは育苗ハウスの削減です。
 
私のところでは、水稲圃場の半分程が乾田直播なので移植栽培で使用する育苗ハウスや苗箱が約半分で済んでいます。
 
移植栽培だと、催芽器・播種機・苗箱等、資機材を保管する場所、作業する場所、育苗ハウスを設置する場所などかなりの用地を必要とします。
 
それらを必要としない直播栽培は新規就農者が稲作に参入しやすい方法と言えるかもしれません。
 

 

労働コストの削減と作業分散

苗箱への播種作業や育苗期間の水遣りや田植えの労力が大幅に減ります。
 
苗箱へ播種する作業では、播種された苗箱を運搬し並べる作業は重労働で最低でも3~5名いなければ回すのが難しくなる作業です。
 
直播の播種作業も人手と労力は必要ですが、移植栽培に比べると重労働ではないのも重要なポイントです。
 
育苗期間中の作業もプールを用いれば省力化できますが、それでも温度管理や定期的な水遣りなどの管理が必要になります。
 
移植栽培を辞めて全て直播を導入した場合は上記のメリットを全て享受できますが、私のところのように移植栽培と両方やる場合のメリットは作業を分散できるのが一番大きいと思います。
 
移植栽培と直播栽培ではすべての作業の時期がズレるので作業分散が出来、1人当たりで扱える面積を増やす事が出来ます。
 
これは生産に特化したい場合に有効な方法かもしれません。
 
 

 

V溝乾田直播のデメリット

 

機材費

トラクターに装着するような播種機の価格は数百万円、トラクター1台分くらいの費用が必要になります。
 
初期投資を回収する為にはある程度の規模が前提となってしまうと思いますが、一定上の規模であれば初期コスト以上のメリットを得られると思います。
 

収穫量

大きなデメリットは移植栽培に比べて収量が減る事だと思います。
 
要因としては、発芽率や除草の難しさ、移植栽培に比べて生育期間が短い事などが考えられます。
 
地域や技術によって移植栽培と遜色のない収量を確保できている場合もあるようですが、私の所ではまだ移植の7~9割程度の収量くらいだと思います。
 
毎年の諸条件の影響も受けやすく移植栽培よりは安定していないと思われます。
 
収量が減るといっても、同じ面積を移植栽培で管理する労力はないので労働コスト対比で得られる収益としては高いと言えるのかもしれません。
 

周辺農家との折り合い

当地域では同じ栽培方法を導入している農家が数件あるので、ある程度の理解が得られるようになっているようですが、導入当初は冬に水を引くことを土地改良区を含め理解してもらうのに苦労したようです。
 
また、隣接の圃場とは水を張るタイミングが移植栽培と違うので、水を引っ張ってしまったり、引っ張られてしまったりと隣接圃場への影響もあります。
 
 

移植栽培とV溝乾田直播の両方を導入するとどうなる?

 
 
前述していますが、私のところのように両方を導入している際の一番のメリットは作業を分散できる事です。
 
直播作業は3月~4月にかけて行います。
 
3月から
 
直播播種→移植播種→移植耕起→移植代かき→移植田植え
 
と作業が続き
 
秋には、移植稲刈り→直播稲刈り→籾摺り→直播耕起→直播代かき→直播溝切り
 
12月の年末近くまで作業が続くので一年を通した稲作の作業が多くなります。
 
その分一つ一つの作業を分散できているので多くの労働力を一時期に投入する必要が減ります
 
耕起や代かきの時期がずれるのは勿論ですが、生育にも差が出るので稲刈り時期も移植栽培とズレるのでこれも大きなメリットです。
 
作業期間が長くなってしまうので農閑期に副業などをしたい方、個人販売に力を入れている方などは不向きな方法かもしれません。
 
どちらかというと栽培主体の農家でワンオペで極限まで面積を増やしたい場合にはオススメの方法と言えるかもしれません。
 
 

まとめ

 
自分は、他の直播技術を経験した事も詳しく調べた事もないのではっきりとはいえませんが、見聞きしている情報の中で考えると、V溝は他の方法に比べて手間が掛かっているように感じますが、発芽率は良い方ではないかと思います。
 
ドローンを用いた播種など、より省力化された直播方法もあるようなので、今後は更に経営状況や栽培環境に合った方法も新たに出てくるのかもしれません。
 
私自身は、まずはV溝栽培で半俵~1俵程度収量を上げる技術を習得できるよう勉強していきたいと思っています。
 
 

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