ビニールハウスを使って栽培する半促成栽培では、アスパラガスを育てるのに灌水が必要になります。
この記事では、アスパラガス栽培に関する資料と私の経験から灌水の適切な量や位置について紹介していきます。
■灌水は収量にどれほど影響する?
■灌水はどの位置に掛けるのが良いか?
■適切な灌水量と頻度はどのくらい?
■まとめ
灌水は収量にどれほど影響する?
アスパラガスにとって灌水は追肥以上の力を発揮するとも言われています。
実際に佐賀県農業試験研究センターが実施した実験では、追肥よりも灌水による増収への影響が大きい事が確認されています。
但し全ての圃場に当てはまるものではなく、圃場毎に大きく条件が違ってくるので注意が必要です。特に排水性が悪かったり地下水位が極端に高かったりすると、逆に灌水をする事で収量が落ちる可能性もあります。
灌水に失敗した経験を灌水が多過ぎるとどうなる?という記事にまとめています。
参考文献:アスパラガスの作業便利帳P104-P109
灌水はどの位置に掛けるのが良いか?
健全な土壌で育てた場合、根の横幅は通路の中央部にまで伸びてきます。その為、圃場全体に撒くようにするのがオススメです。
私が行っている方法は、20分間の灌水をする時には10分間ずつ水圧を調整し水の着地点を変えることで広範囲に撒けるように工夫しています。
適切な灌水量と頻度はどのくらい?
圃場の条件を把握する
大前提として、圃場の排水性や地下水位などの土壌条件によって適切な灌水量や頻度は大きく変わってしまうので条件を把握する必要があります。
地下水位の高い圃場の判断方法や対策については理想の土づくり(定植前編)という記事で紹介しています。
灌水量と頻度
土壌水分計を使用して管理する場合は、pF1.8~2.0程度が良いとされています。
灌水量は、1回4mm程度が望ましいという見解が多くみられ、最大で20mmまでとされています。
灌水頻度は、資料によって異なる見解も見受けられるので大体の目安としてご了承ください。
春 3日~7日に1回
夏 2日~7日に1回
秋 5日~7日に1回
冬 10日~月1回
参考文献
アスパラガスの高品質多収技術P77-P79
レベルアップのアスパラガス栽培P61
まとめ
排水性があり、地下水位も高くない圃場であれば目安よりも多めにかけても大丈夫だと思います。
地表と地中では水分量は異なるので、地表10㎝くらいの状況を見て灌水頻度を調整、地中30㎝くらいの状況を見て灌水量を調整、が良さそうです。
地中の状況を確認する方法は、土壌水分測定器を使って確認する方法と、スパイラルボーラーを使って数か所に穴を掘って地下水位や水分量を目で見て確認する方法があります。
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