灌水が多過ぎるとどうなるの?
というあまり経験したくない体験したので皆様にご紹介したいと思います。
私の圃場で農業試験場の職員の方に指摘された事、その状況、灌水が多過ぎることによる弊害はなにか、という事もお分かりいただける内容になっていると思います。
■適当は良くない
■指導員から受けた圃場診断と指摘
■実際にどれくらいの量を灌水していたのか
■籾殻栽培でも失敗
■まとめ
適当は良くない
アスパラ農家の先輩に、「水を掛ければ掛けただけ出てくる」と言っていたので積極的にじゃぶじゃぶと水をかけていました。どのくらい水を掛けていたのか紹介します。
どれくらいの量を灌水しているのかよく知らないまま感覚的にやっていました。
2、3日水を掛けていないと収量が落ちるので1日~2間隔、状況によって毎日灌水。
回数
春は1日1回、夏の暑い時期は多い日で2、3回。
時間
灌水時間は1回に30分~1時間くらい。
指導員から受けた圃場診断と指摘
親茎が弱いので2次側枝が多く出る。芽の品質が悪い。
親茎が弱い原因は、高熱と多灌水。土中の水分が多過ぎて酸欠になっている。根が拡がる事が出来ていない為、根域も狭い。
土質は砂質なので水捌けが良さそうに思えるがそうでもないので、地下水位が高いと思われる。灌水を大幅に減らして、根を伸ばすのが重要
という診断と指摘を受けました。
実際にどれくらいの量を灌水していたのか
指摘を受けて灌水量を正確に知ることにしました。
水田用の蛇口を捻ると出てくるパイプ用水もしくはガソリンエンジンのポンプを使用して灌水しています。
1000ℓタンクに水を溜めて時間当たりどのくらいの給水量なのかを計りました。
約5分間で1.3mmの水を供給していました。30分で7.8mm、1時間で15.6mmという計算になります。
毎日のように7.8mm~15.6mmの水を灌水していたことになります。
アスパラガス栽培に関する資料などでは、1回あたり4mm程度、1週間で30mm程度が望ましいと書かれています。
頻度も1回の灌水量も資料にある基準の倍以上だった事が分かりました。
灌水の適量に関して詳しくは灌水はどれくらいやるのが適切?の記事をご参考ください。
参考文献:アスパラガスの作業便利帳―株づくりと長期多収のポイントP104
籾殻栽培でも失敗
昨年、ある実験をしていました。
高床式でアスパラガスを栽培する実験です。それも水と籾殻だけでアスパラガスは栽培できるのかという実験でした。
なぜこの実験をしたのかというと、高床式だと腰を屈めることなく収穫できる、籾殻は大量に余っているので無料、そして軽い、アスパラの根と離しやすいので移植も簡単。
これで栽培できれば最高です。上手くとは思っていませんでしたがどうなるかやってみました。
そして、露地なのにも関わらず、灌水ホースを引っ張ってきて毎日の様に灌水していました。
そうするとどんどんアスパラが弱っていきました。他の要因かもしれなかったのでしばらく灌水も続けていました。親茎が枯れ始めたので灌水を止めたところ、新芽がまた出てきて回復し始めました。
籾殻は排水と保水性があるという事で使用しましたが、毎日の灌水はやり過ぎだったようです。
まとめ
乾燥も良くないようですが、水のやり過ぎも良くないという事が分かりました。
ビニールハウスを使った半促成栽培では雨が直接当たりません。浸透してくる水だけでは水分が足りず、灌水は必要だと思います。それでもやり過ぎは良くない、という事がよく分かりました。
対称的な見方としては、品質や収量に影響が見られるものの、やり過ぎたとしても株が死滅するというほどの致命的な問題にはならなかったという事も言えます。
灌水の適切な量については別の記事でご紹介しています。
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