この記事では、下枝をかき取る理由について解説していきます。
何のために下枝をかき取るのか、いつ頃やるのか?、どうやってやるのか?、どのくらいの高さまでやるのか?、その後の管理はどうする?といった細かい部分についても解説します。
私自身は、アスパラガス栽培を始めた頃、先輩農家に色々と教わっていく中で下枝かきをした方が良いと勧められたのでやり始めました。今では、毎年欠かさず行う作業になっています。
■アスパラガスの各部位の名称
■何のためにやる?
■いつ頃やる?
■どうやってやる?
■どのくらいの高さまでやる?
■その後の管理は?
■まとめ
アスパラガスの各部位の名称
枝と呼んでいるところは「側枝(そくし)」と言い、葉にみえる部分は「擬葉(ぎよう)」と言います。
アスパラガスは少し特殊的な植物で、一般的に葉と呼ばれる部分は収穫するアスパラガスにもみられる茎に見られる▲のポコッと出ている部分で、鱗片葉(りんぺんよう)と言います。葉が変態した変態葉の一種だそうです。
下枝と呼んでいるのは、側枝の下の方の事を指しています。
何のためにやるの?
先輩農家に教わった理由は以下の3つです。
採光性の向上
グリーンアスパラガスとしての色付きを確保するために下葉を取る。
下葉が茂ってしまうと、出荷する部分(芽)に光が当たりにくくなって薄い緑色になってしまうからです。
風通しの向上
風通しを良くし、なるべく菌が繁殖しにくい環境を整えます。
アスパラガス栽培で一番の難敵は茎枯れ病という病気です。それ以外にも斑点病というものなどもあって、病気に特に気を付ける必要があるからです。
作業性の向上
下葉があると収穫作業の効率が下がります。
視界や収穫する手を遮って邪魔になるのです。先に紹介した二つ理由に効果がどれほどあるのかはかりにくいところはありますが、これに関しての影響ははっきりと認識できます。
下枝は収穫の際に凄く邪魔なのでこの理由だけでもやる価値はあると思います。
いつやるの?
大体、立茎(りっけい)1ヵ月以降になると思います。
アスパラガスは立茎を始めると茎をグングン上に伸ばしていき、ある程度の高さまで伸びると枝に栄養が回ってきて側枝を広げていきます。それが立茎を開始してから1ヵ月後になるはずです。
どうやってやるの?
ハサミで根元から切る方もいるようですが、私は手でかき取っています。
下枝をかき取っている様子は下の動画で観られます。
茎葉が若くて柔らかいときにかき取ろうとすると、茎と枝を上手く切り離せず茎を痛めてしまったり、茎の表面の繊維を傷つけてしまったりする事があります。
傷口から病気が発生してしまう事もあるので、手でかき取るのは茎葉がある程度成熟してきてからの方が良いと思います。
どのくらいの高さまでやるの?
私が先輩農家に教わったのは地表から約60㎝までという事でした。
大体50㎝~60㎝くらいの範囲を好みで判断して良いと思います。
あまりにも高くまで下葉をかき取ると、光合成できる葉面積が減ってしまうので減収の恐れが出てきます。
その後の管理は?
その後も、側枝をかき取った跡の周りからわき芽が継続して出てきます。面倒だけど、収穫のついでに出たばかりの頃からわき芽をポチポチ摘み取っていきます。
これを取らないと、また下枝が生い茂ってしまいます。
まとめ
下葉のかき取りはアスパラガス栽培において必須の作業ではなく、やっていない人もいるようです。
この作業をやるやらないは、それぞれの感性や性格も影響してくるのかなと思います。
私は、収穫の時に顔に葉があたるのも嫌だし、モシャモシャしている状態があまり好きじゃないので、下葉はきちんと綺麗に取ってしまっています。
最後に別の記事のご案内です。
この記事では、アスパラガス栽培に関する記事を時系列で一覧にまとめています。興味のある記事が見つけやすくなっていると思いますので是非ご活用ください。
参考資料:アスパラガスの作業便利帳
コメントを残す