アスパラガスを栽培すると一年間にどんな作業をするのか大雑把に紹介していきます。
これから始めようと考えている方の参考になればと思います。
前提条件の紹介
同じアスパラガス栽培でも栽培法や地域によってスケジュールや作業が変わります。今回、紹介する栽培条件をよく確認した上でご覧ください。
栽培地域
【 秋田県 】
アスパラガス栽培としては寒冷地として扱われていて、北海道や長野県などに似た条件になります。
栽培方法
【 半促成栽培(ビニールハウス)】
露地栽培に比べて早く萌芽し、収穫期間が長く、栽培環境も整えやすいので露地栽培に比べて2倍~3倍の収量を上げることも可能です。
【 長期どり栽培 】
春芽を収穫して立茎し、夏芽を採ります。春から秋まで長い間収穫する栽培方法です。
栽培年数
今回紹介するのは、定植後2~3年目以降の作業になります。苗を植えた年の作業は変則的になるので紹介しません。
1月 バーナー焼却・施設改良
畝や通路など前年に片づけたアスパラガスの切り株や地表に落ちた葉などの残渣をバーナーで焼却します。
やらない人もいるようですが、茎枯れ病や斑点病の菌が残って翌年の病害に影響すると考えられていて、病害の軽減を目的としてバーナーで焼却する事が推奨されています。
私の場合は、切り株はすべて抜き取るので表面に落ちている葉をさっと焼く程度です。
YouTubeで作業風景を公開しています
2月 施肥・堆肥をかける
毎年必ずという訳ではありませんが、施設に問題が出てきたり使い方を変える場合は作業の少ないこの時期にやる事が多くなります。
月末頃には栽培している畝や通路に肥料や堆肥を施します。
私の地域では、籾殻牛糞堆肥が推奨されていて雑草の抑制も兼ねて畝の上に堆肥をのせています。土壌の状況に合わせて肥料や土壌改良剤、堆肥を通路にも撒いて耕すこともあります。
YouTubeで作業風景を公開しています
3月 ビニールハウスの密閉と二重被服
ビニールハウスを密閉してハウス内にビニールをもう一枚張り灌水をして気温と地温を上げて萌芽を促します。
私の場合は、4月の方が3月よりも市場価格が上がるので、ハウス栽培としては少し遅めに保温を始めて4月に春芽のピークを持っていくようにしています。
4月 春芽の収穫
春芽は出たものすべて収穫します。ひたすら採るだけなのでこの時期の作業は簡単です。
5月 立茎、農薬散布開始
春芽を採り続けると貯蔵根に栄養が無くなり株が死んでしまいます。立茎開始が早すぎると春芽の収量が落ちてしまいます。その見極めが難しいといわれています。判断基準は農家によってそれぞれ考えられているようです。
立茎する本数は一株に対して何本、10mで何本というように選ばれています。これも地域による気候差によって適切な本数は変わるようです。
立茎を始めてからは親茎に病気が付くのを防ぐために、農薬散布も始まります。特に茎枯病に注意したい時期です。
6月 夏芽に移行
立茎を始めても収穫量は減るものの0になる事はなく続いていきます。立茎を始めてから1ヵ月~1ヵ月半くらいで親茎の光合成した栄養で萌芽する夏芽が出てくるようになります。
ここから収量がグングン増えていきます。
このあたりから下枝のかき取りや畝の除草など少しずつ収穫以外の作業にも時間が必要になります。
7月・8月 夏芽フィーバー
収量はどんどん増えていきます。成長が早く適期で収穫するのが大変になってきます。灌水の管理も大切で、ハウス内の温度も上がるので換気など室温調整を上手にしなければ品質の低下が増えてしまう時期でもあります。農薬散布では斑点病に注意したい時期です。
9月 品質の良い季節
収量は減ってくるものの気候が丁度よくなってくるので品質が良くなってきます。斑点病などに気を付けて来年に向けて良い終わらせ方を考え始める時期です。
10月 収穫が終わる
ビニールハウスの横を解放したままでは、10月に入るとガクンと収量が減ります。夜に密閉し適切な温度管理をしていれば10月中旬くらいまでは収穫を続けられます。
11月 転流促進
これをやらない人は多いと思います。
私は、茎枯れ病対策として病原菌を残さないようにすべての切り株を圃場から取り除きます。かなり面倒な作業ですが、茎枯れ病がほぼ出なくなるまで続ける予定です。
12月 茎葉の片付け
12月に入る頃にはアスパラガスが綺麗に黄色に紅葉します。茎葉に残っていた栄養分がすべて貯蔵根に蓄えられた頃に茎を刈取り圃場から搬出して処理します。
私の場合は、貯蔵根以外は残したくないので親茎も抜き取ってしまいます。
まとめ
如何だったでしょうか。こうやってまとめてみると、作業がほとんどない時期もあるものの毎月何かしらの作業がある事に少し驚きました。
主な収穫期間は4月~9月なので現金収入が入るのは約半年間という事になります。
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